2011年 12月
いわゆる、霊の話である。どうやらこの世のひとは、見るひとと見ないひとに分かれるらしい。ちなみに私は見ないひと。見たという話だけは相当見聞きしているのだけど、自分では火の玉ひとつ見たことはない。ただしこんな私でも衝撃的な霊体験が一度あって、それからはその手の話はほぼ信じる側にいる。
その霊体験は、見たというより感じたというのが正解で、命拾いをしたほど強烈なものであったが、それを記すのは別の機会にゆずる。
今回は、霊感があるライター、加門七海の話である。
加門七海は東京生まれで、多摩美術大学大学院卒業。美術館学芸員を経て作家&ライターになった。幼い頃から見るひとだったらしい。その体験をありのままに書いたノンフィクションものと、フィクションの恐い小説も書いている。私が魅かれるのはもちろんノンフィクションのほうで、それをまとめた本がいくつか出ている。
私が加門七海を知ったのは、彼女が各地の霊能者達に取材してまとめた本(『うわさの人物』神霊を生きる人々 集英社)の中に、沖縄の霊能者(ユタ)が二人含まれていて、そのお一人に私がインタビューした経験があったためだ。その方は研究者でもあるのだが、お話を聞いていると、見えないものの存在、心で思うことの力を感じずにはいられなかった。それをどう思うかは人それぞれだが、私は信じられると思った。そのほうが自分にとって気持ちの良いものであれば、受け入れるほうが良い。思うに、悪いモノ、邪悪なものは感覚から入ってくる。だから心に悪い感情を持ったり、感じの悪い場所にいると、悪いモノが近づいてくる。悪いモノは自分の中だけでなく、周辺からも追い払うに限る。
ちなみに加門七海の本で面白かったものをいくつか紹介しよう。本人が体験した霊体験を、編集者に話す、というスタイルでまとめられた1冊で、タイトルは『怪談徒然草』。この中にある三角マンションの話がめちゃ恐い! 加門さんの友人の霜島ケイさんが実際に住んでいた部屋だそうだが、すべて実際にあった話なので、知る人ぞ知るちょっと有名な話なのだ。他に『怪のはなし』も面白い。ちなみに沖縄では、『カミングヮ』(ボーダーインク)がその系列で有名です。