2011年 9月
少し前から、「物をあまり持たない」を実践し始めた。それまであまり考えずにいろいろ買ってきた、本とか洋服とか化粧品とか。今は本当に必要か、代替できるものはないかとまず考える。すると不思議、たいていのものが「買わなくても済ませられる」という結論になる。買ったけど結局読んでいない本、買ったけど着ずに箪笥に眠っている服、化粧品などは使い切れずに途中で捨てたり…。確かに物を持たないと気も楽である。家の空間も広々として掃除もしやすい。でもこれって、私が年を取ったからなのでは?とも思う。若い頃には物欲が生きる意欲の証だと思っていた。頑張るモチベーションでもあった。だから、今の心境をすぐに全ての人に当てはめる気にはならないけど、極力持たない、という姿勢に向かってきた自分には満足している。
しかも世の中、断捨離という言葉もあるくらい、捨てるのが流行である。
歴史に学ぶと、もっと過激だ。吉田兼好は「徒然草(つれづれぐさ)」の中で、「名誉欲、色欲、食欲はすべての苦悩の根源である」とまで言い切っている。
「禍福(かふく)は糾(あざな)える縄のごとし」(人の幸と不幸、成功と失敗は、繕り合わされた縄のように表裏一体のものである)とはよく言ったもので、あればそれを保つために難儀をし、失うまいと焦る。なければそんな苦労もなくてすむ。こういうことが分かってくるから年を取るのはやめられない。